床下の湿気とカビの話

さて、朝晩の冷え込みが冬の訪れを感じさせる気温になってきました

今日は夏のお話です。

東日本大震災の被災者が暮らす災害公営住宅でカビが大量発生した問題というのがあると
宮城県のニュス(マイベストプロ宮城の河北新報さん)でみました。

発生が確認されたのは10市町15団地の計77戸に上るってことで
換気不足や施工ミスが原因とみられると書いてありましたが

残念ながら
夏の季節の床下の湿度は、「換気不足」という視点だけじゃ解決できない複雑な問題
正しく原因となる現象を読み解ける専門家が少ないのが現状

いいことか悪いことか
これから季節が乾燥する季節に向かうので
この問題は来年の梅雨頃まで忘れ去られるのかもなぁと思い
話題にしてみようと思ったのでありました

さて
床下というのは湿気っているのでしょうか
答えは半分正解で半分間違いです
夏湿度が高くて、冬は乾燥しています

これは問題となっている復興住宅の床下にかぎらず、日本中の床下に共通するおはなしです。

ここが問題をややこしくしている1つめのポイント
湿気っているか乾燥しているかどうかは季節性のものであるということです

もうひとつこれが一番ややこしいポイント
結露やカビの発生は湿度も大事だけど温度がもっと大事だよって話
ここを正しく理解できないと「換気」でなんとかしようとなっちゃうので・・・
まあ
温度と湿度はふたつセットで考えなきゃ結露やカビはおさえられないよ
ということなんです。

話をすすめるうえで言葉の整理をしておきます。
これがとっても大事なことです。

温度:温度計ででてくる何℃ってやつです。
湿度:この文書の中では相対湿度のことです。湿度計で表示される何%ってでてくるやつです。
湿気:この文書の中では絶対湿度のことです。実際に空気に含まれている水蒸気の量が何gかってやつです。
    湿度計では表示できないので、温度と湿度から計算してもとめます。

なんじゃこりゃって感じですが、この言葉の使い分けができるかどうかがめっちゃ大事です。
最近リアルな場でお客さんと話をしていて思いました。
「あれ、湿度と湿気をごっちゃにしておられるな」って

めんどくさい話ですが
「湿度が高い」と「湿気が多い」は分けて使う必要があります。

「湿気が多い」ところは「湿度も高い」のですが
「湿度が高い」ところが「湿気が多い」とは限らない


ややこしいでしょ

でもこの違いを正しく理解することが
元の問題を解決するための大きなポイントになります

床下の結露って複雑なんです
どこが複雑化というと
季節性のある問題でるということ
夏に発生したこの問題
ほっておいても冬には解消されていたりするんです

なぜか
「湿気」の量というのは、
「湿度」といっしょに「温度」をあわせて考える必要があるからですね

おさらいですが
「湿気が多い」ところは「湿度も高い」のですが
「湿度が高い」ところが「湿気が多い」とは限らない

ここのところ非常に勘違いされやすいポイントなのでしつこく書いておきます。
「湿気」というのは「湿気の多いところから少ないところに移動する」のであって
「湿度が高いところから低いところに流れるわけではありません」

そしてこの目に見えない湿気は、家の壁や床や天井を
往々にして通過することができるミクロなやつなんです

上の図は
松江市にあるとあるお宅で測らせていただいたこの夏、
外気と床下とリビングにおいてあった温湿度計の数値と
そこから計算した湿気の量の関係を絵にしたものです。

図のような三角関係であれば
非常に湿度の高い床下ではありますが
そこから外気やリビングにむかって湿気は流れていきます
この場合
向かっていく先の外気やリビングは床下よりも温度が高いので
結露の心配は少ないといえます。

同じお宅で測らせていただいたほかの日の夏の一コマです
この三角関係では
湿度自体は、リビングよりも床下のほうが高いのですが、
湿気の量は、床下よりもリビングの方に多く含まれていて
湿気はリビングから床下に向かって流れていきます。

畳や下地の板も通過して流れていきます。

まさしく今回取り上げた床下結露の発生は
この三角関係の中で
リビングから床下に流れていった湿気が
畳の裏やその下地の板の部分で結露して
やがてそこにカビが生えたところだと想像されるわけです。

ちなみに上の数字では、この三角関係でも結露の発生はないと計算されますが

床下とリビングと外気の三角関係は、
その建物の構造や土地柄、そして季節によってめまぐるしく変動するわけで

今回取り上げた
東日本大震災の被災者が暮らす災害公営住宅でカビが大量発生したという状況

この夏の逆三角形によるものだと
新聞記事(写真)を見た時点で想像できたわけです。

これが想像できると
「換気不足の解消では、問題の解決にならないな」と想像され

この夏の逆三角関係の下での問題解決には、
適切な換気計画とともに「冷房と防湿層の設置が重要なんだ」と結んでおきます。

今回見かけた東北のニュース
床下結露はことさら珍しい現象ではなく、程度の大小はあれ、夏の床下では一般的起こりうるお話です。
でも目に見えない湿気の流れを想像できる人が少ないのもたぶん事実です。
正しい理解と想像が進み、来年の夏にはきちんと問題解決されますように
遠くからではありますが、応援していきたいと思います。

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