家守りとして

島根県松江市ルラクホーム外観

「失敗は成功の基!?」

百年の家プロジェクトに参加して十年を迎えました。十年もやっていると失敗談もいろいろあるのですが、いまだに失敗の達人いずものこげんぱです。
単純な失敗を経験することが、進化への近道だってこと、その経験が共有できることが、百年の家プロジェクトの魅力であり、十年目もいずもありがとう。これからもよろしくお願いしますというところです。
さて、十二年前に自分の家を建てたのですが、「健康住宅」の見本にしようと無垢の木を全面に押し出した仕上げ、壁は珪藻土で仕上げ、リビングにはなぜか床暖房?!これが健康住宅ですよと自信満々、ドヤ顔で建てた家でありました。

「百年の家プロジェクトとの出会い」

その二年後に百年の家プロジェクトに出逢って、自分の家が「間違いだらけの健康住宅」だってことに気づいたわけです。そのショックたるや相当なもんだったわけですが、今となっては立派な反面教材として活用できているわけで、この失敗も進化のための糧であったと家族をなだめているところであります。

そんな十年目、この春完成した家のお話です。「ル・コルビュジェが年老いた両親のために設計し、レマン湖のほとりに建てた小さな家、この家が理想である」とお客さまからいえづくりのコンセプトを告げらたのが去年の夏のことでした。

うちのセールスポイントは、「冬の寒さも忘れて快適に過ごせる、しまねの木を使った高性能な木造住宅」。そこが気に入ってうちを選んでくれたお客さまだったのですが、デザインやコンセプトでコルビュジェって、どうなん?と思いながらも、その理想の家をオマージュしながらセールスポイントが生かせるいえづくりができたらなんだかかっこいい。かっこよくて高性能な木の家を建てようって話なのであるからトキメいちゃったのであります。

「コルビジェと百年の家プロジェクト」

敷地は、「南向きの家は建てるな。」のキャッチに相性のいい環境、外観デザインはもちろん、間取りにもオマージュ、基本的には、一階だけでも生活が成立する必要最小限の空間構成。

広さではなく目線の長さ、また高さを意識しましょうってこと、実用的であり、デザインを構成する要素を絞りこみ、飽きのこないシンプルさを松江の風景の中にはめ込んでいきましょうって感じで打合せは進んでいきました。こうしてこの春、コルビュジェをオマージュした百年仕様C値=0.28の高性能住宅が完成し、晴れてご入居いただきました。

先日、非常に快適な夏が過ごせたと家主様よりレポートが届いたところで、「住宅は性能。」っていうけど、それでいてかっこよかったら、なおいいよねって思う。というか”機能的にできた家はかっこいい。”そんな気づきに感謝しながら、十年目もチャレンジはつづいていくのであります。

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